「営業の成績が上がらない」
「どのようにお客様と話していいのか分からない」
オンライン化が進んでリアルに会う機会も減り、
このように頭を抱えている人も多いと思います。
筆者も同じ悩みを抱えている一人です。
けれど、オンラインでもオフラインでも営業ができるとできない人の「差」は明確です。
8つのポイント
- KGI・KPIの設定
- 説得するのか、誘導するのか
- 正しい話の聞き方(SPIN話法)
- 引き込まれる話し方(ツァイガルニク効果)
- 効果的な質問方法
- イニシアティブを握る
- ニーズの本質の掴み方
- 狙った商品を買ってもらう
原因を説明したのちに8つのポイントを解説します。
それでは一つずつ確認していきましょう!
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「営業ができない人」と「できる人」の違い【原因】
①何をしたら良いのか分からないのが原因
出典:現役営業マン300人に聞いたお悩みアンケート
- 売れてる人に聞く(102人/34%)
- 特に何もしない(96人/32%)
- 自分に課題を出している(51人/17%)
このように、自分では解決できない問題だと考えている人がほとんどです。
他人に聞く=やり方が分からない
という傾向が多いとアンケート結果から読み取れることが出来ます。
では何故、やり方が分からない人が多くなっているのでしょうか?
②上司が上手く教育することが出来ないから
一昔前までは「売り込み型営業」が主流でしたが、現代ではほとんど通用しません。
自社の商品やサービスを売り込む存在ではなく、
顧客の課題を引き出し、それを解決するための方法を一緒に考えるビジネスパートナーを求めています。
営業として信頼されるためにも、しっかりと顧客のニーズや課題を引き出し、それを解決することで得られるメリットや可能性を明確に伝える必要があります。
じょうぜつな話術などではなく、顧客の課題や不満を的確に聞き出す傾聴力が必要とされています。
あなたの上司にそれを教えてくれる人はいるでしょうか?
対外的な問題ではなく、社内の体質的な問題ではないかと考えられます。
③目標が達成できないから
教育体制が整っていなければ、課題とされる目標を達成することは不可能です。
英語を教えていないのに、急に英語を話せることがあるでしょうか?
数学を教えていないのに数式を解けることがあるでしょうか?
「営業ができる人になろう」
と考えても、それを達成できる環境が整っていなければ不可能です。
上司が教えてくれなければ、自分で学ぶしかない。
この記事は少しでも、できる営業マンに向けての一助になればと考えています。
店舗での営業内容も盛り込んでいますが、
基本的な内容として、対企業との営業スタイルを中心に記述しています。
「営業ができない人」と「できる人」の違い【8つのポイント】
一流の営業マンは誰?と聞かれた時にパッと浮かぶ人物はいませんが、
成功者の中で、スティーブ・ジョブズというappleの創業者を思いだしてください。
彼のプレゼンに関して様々な著書が出版されており、
伝説に残るプレゼンには準備を惜しまないことが記述されています。
ある商品のプレゼンを準備するときは、ジョブズは何週間も前に準備を始めます。
ポイント
- 話す予定の製品や技術について勉強する
- ある製品のデモは5分間であったが、チームはその準備に数百時間を費やした
- ジョブズのリハーサルは丸2日
- 本番前日には、緻密に仕上げた構成に従って本番とまったく同じリハーサルを1回2回行う
入場シーンのライトの付け方まで拘っていたと言われています。
つまり、あれほどの成功者でも事前準備は怠らなかったということです。
今の営業においては下調べなんて簡単にすることが出来ます。
例えば、企業に対して営業に行く際には、
その会社の代表のSNSから、
「趣味」「興味」なんていうのは簡単に情報を入手することが出来ます。
このような情報から下調べして話題につなげることも事前準備です。
その他、
身だしなみ
- シャツ
- 靴
- 第一印象を良くする
営業中
- 話さないで聞く(ニーズを聞く)
- 資料を説明する時は暗記をする(相手を見る)
- 出来ないことは持ち帰る
営業後
- 約束を守る
- レスポンスを早くする(返信遅い=チャンス遅い)
- 与えることを惜しまない(仕事以外のことも伝える)
その他、行事ごとに連絡(誕生日、年末・お正月)など様々な成功の要素がありますが、
本質は相手に対して「伝える力」です。
多くの人は、
WHAT ➡ HOW ➡ WHYの順で物事を伝えます。
例えば、
「弊社はすでに数千社が利用している企業です」(WHAT)
「このシステムは簡単なシステムで人を集める機能があります」(HOW)
「これにはあまり知識がないお婆ちゃんにも使える機能があります」(WHY)
一方で、同じような話でも
WHY ➡ HOW ➡ WHATの順で物事を伝える人は、
「私たちはお婆ちゃんが経営している飲食店などには、今のマーケテイング媒体は難しいと思います」(WHY)
「だから、お婆ちゃんが運用できるくらい簡単なシステムを開発しました」(HOW)
「今では数千社に使われているシステムです」(WHAT)
このように順番を変えるだけで伝わり方が全く変わってきます。
「WHY」から始めるだけで内容は全く変わってきます。
①KGI・KPIの設定
KGI(Key Goal Indicator)=重要目的達成度
KPI(Key Performance Indicator)=目的達成のために必要な過程
企業(組織)が成長するためには数値(結果)が全てです。
その目標数値がKGIでそれまでの過程をKPIと表します。
ではなぜKGIとKPIを設定するべきなのでしょうか?
例えば、法人営業や接客営業においては、
契約件数=アポイント件数(接客数)×契約率
が、KGIを導き出す指標の一つになります。
アポの数が足りない?契約率が悪い?
KGIを達成するためにKPIを設定することで、
何が足りないのか?(ポイント件数or成約率)を考えて行動することが出来る。
逆算して修正することが出来、
営業側もマネジメント側も対応ができ、改善が可能なので2つの指標を設定することは重要です。
②説得するのか、誘導するのか
「お客さんからなかなか契約(購入)してもらえない」
こう落ち込んでいる人は、
説得しているのか、誘導しているのか考えてください。
ポイント
- もし契約(購入)が取れてないなら説得している
- もし契約(購入)が取れているなら誘導している
こんなことを考えたことがあるでしょうか?
説得=相手の理性を覆そうとすること(嫌に思う)<PUSH戦略>
メールマガジン=PUSH戦略
ネットで購入すれば、知らぬ間に莫大なメールが届いた経験はありませんか?
そこから実際に購入まで進んだことはありますか?
説得していると感じているなら、それは改善すべき課題です。
誘導=相手が自分で自分のニーズに気付くこと<PULL戦略>
インスタグラム=PULL戦略
インスタグラムは「リア充アピール」をSNSですると言われるように、
自分からの営業は全くしていませんが、閲覧者は興味を持ってしまいます。
つまり、
✖ ➡ 商品の特徴ばかり話す
〇 ➡ どんな未来が待っているのか
契約をする(商品を買う)ことで起こりうる良き未来を提供することが重要です。
③正しい話の聞き方(SPIN話法)
「聞く力 心をひらく35のヒント(阿川佐和子著)」がベストセラーになったように、
コミュニケーションの基礎は話すことでなく、聞くことです。
では、どのように聞くことが正解なのか?
その聞き方の基本となるのが「SPIN話法」です。
S(Situation question)=お客様の状況を聞き取る
P(Problem question)=お客様の悩み・問題に対しての質問
I(Implication question)=問題を認識させる(潜在ニーズに気付かせる)
N(Need-payoff question)=課題解決
「SPIN話法」の活用方法として、
最終的に課題解決に繋がらないといけません。
なのである程度の答えをもってそこに誘導させることがポイントになります。
これには訓練が必要なので、ぜひ身近な相手から実践していきましょう。
④引き込まれる話し方(ツァイガルニク効果)
「話をしていて魅力的じゃない、面倒くさいと感じる」
営業マンと話していてもこのように感じる人は多いと思います。
それは何故なのか?
その理由として質問に対しての答えもなく、ダラダラ話をされているからです。
引き込まれる(相手を引き込む)話し方の特徴として、
最初の一言で結論を言う=説明しないでキーワードだけ残す
という話し方が効果的です。
最初に結論を言われたら、
「なぜそう考えるのですか?」と質問したくなります。
それを「ツァイガルニク効果」と呼びます。
もっと相手の話を聞きたくなるという効果です。
それは、テレビ番組でも使われており、
「結果はCMのあと!」なんて言葉をよく聞くと思います。
そんなこと言われたら、ついついCMを待って続きを見てしまいますよね。
冒頭から結論を言うことで、
相手に「なぜ?」と思わせることで興味関心をぐっと引き寄せる。
話し方の違いでもこのように効果が違います。
メールでも応用することが出来ます。
ダラダラを長文を相手に打つのではなく、
簡潔かつ丁寧に話したキーワードを盛り込むことが重要になります。
⑤効果的な質問方法
質問下手な営業マンは数多くの質問をします。
それによって、相手は「Yes」「No」の答えが多くなり会話が弾みません。
出来る営業マンは多くの質問をするのではなく、
一つの質問内容を質問を深堀します。
これは営業だけでなく恋愛にも活用できる術です。
ポイント
✖ 事前に質問内容を考えすぎる=会話が弾まない
例:「○○好きなの?」「何回来ているの?」
◎ 相手の質問に対する答えを深堀する=気持ちよく相手が話せる
例:「○○好き?おれは○○の△△が好きだけど、○○のどこが好き?」
質問のポイントは「オープンクエスチョン」を使うかどうかです。
つまり、二者択一の質問をするのではなく、
自由な発言を導き出す聞き方を出来るかがポイントになります。
また、自分の話もプラスすることで相手も話しやすくなります。
⑥イニシアティブを握る
相手と交渉するにあたっては、主導権を握ることが大切です。
消費者の購入するときの心理として、
人にお金を払う+商品にお金を払う=商品を購入する
という意識が働きます。
イニシアティブの握り方
✖ 専門用語で話す(相手に伝わる言葉を選ぶ)
〇 ヒアリングで相手に話させる(相手を気持ち良くさせることで情報を得る)
つまり、相手に営業マン(販売員)を信頼してもらったうえで商品を購入してもらう。
このような意識に働かさせることが重要です。
⑦本質的なニーズの掴み方
営業マンも経験を積んでいけば、
「この人はこのような考えの人だ」
と固定観念に囚われている傾向にあります。
この固定観念に縛られてしまうと、お客様の本質のニーズが見えなくなってしまいます。
例えば、
車を購入する際に、自分たちが求めているのは子供たちを乗せやすい空間なのに対して、
営業マンが、「この人たちの傾向として燃費の良さを求めているな」
と勘違いしてひたすら燃費の良さを伝える。
そうすることによってお客様の印象は、
- 聞きたい性能=求めているコト(買いたい意欲)
- 聞かなくても良い性能=違うことを教えられる(売られる)
と言う結果になり「売られる」と言う印象からその場を去ってしまいます。
お客様の何気ない質問に対して、本質を見抜くこと
- なぜこの質問をしてきたのか?
- これを聞いてどうしようとしたのか?
この2つをまず考えることが重要です。
お客様の種類として、
- 顕在層=放っておいても買う
- 潜在層=なぜこれを買う必要があるのか?使ったらどうなるか?
このような2つの層に分かれます。
潜在層は黙っていても、自分たちが欲しい商品を購入してくれるので、
ポイントはフラッと立ち寄った潜在層に商品を買ってもらうことです。
⑧狙った商品を買ってもらう
売り方
- アップセル=グレードの高い商品を売る
- クロスセル=関連度が高い商品をセットで売る
- ダウンセル=一番安い商品を売る
売り方においても、このように3つの方法があります。
自分の売りたい商品を買ってもらうポイントとして、
松竹梅の設定をおこなうことがポイントになります。
ポイント
松=契約に至らない(買ってもらえたらラッキー)
竹=一番売りたいプランを真ん中へ
梅=物足りない(売りて買い手もメリットが少ない)
このようにあえて商品群を提案することで、
狙った商品を購入してもらうことが出来ます。
まとめ
KGI・KPIの設定 | 目標から逆算して、何をするのかを決める。 |
説得するのか、誘導するのか | 相手を説得するのでなく、納得させることが重要。 |
正しい話の聞き方(SPIN話法) | 「聞く力」を手順に沿って身に付ける。 |
引き込まれる話し方(ツァイガルニク効果) | 最初の一言で結論を伝える。 |
効果的な質問方法 | 「YES」「NO」で答える質問をしない。 |
イニシアティブを握る | 交渉の主導権を握る。 |
ニーズの本質の掴み方 | 相手の潜在ニーズを引き出す。 |
狙った商品を買ってもらう | 商品群を提案する。 |
営業が出来る人の具体的なノウハウとして8つ述べてきました。
営業は会社の売上を左右する、最も重要な役割を担っています。
営業の役割=目標を達成すること
営業マネジメント=目標達成のためにマネジメントし続けること
営業側の意見を述べてきましたが、
最後にマネジメントする側の重要なポイントにも触れておきます。
営業マネジメントに必要な3原則
①目標管理(日々の目標を達成するための行動計画をメンバーに描かせる)
➡背伸びした目標数値の設定、目標数値に納得感がある
②行動管理(プロセスの数字を紐解き、成果が上がらないボトルネックを発見し、打ち手を打っていく)
➡達成と進捗に対するアドバイス、問題のある行動の是正(相手に対する不快感の解消)
③案件管理(商談を実施して見込化した案件を受注に向けて進捗させるためのマネジメント)
➡案件に対する営業アドバイス(ボトルネック)、案件管理アドバイス(リードタイム)
このように営業する側に対して、しっかりをフォロー体制を組むことで
最大限の力を発揮してくれることが出来ます。
ではではまた。