世界に誇る日本の人気グルメと言えば「寿司」
一番最初に食べる寿司ネタや、締めのネタなど、
みんな様々なルールがあると思いますが、
どの寿司ネタが一番好きでしょうか?
男女10代~50代まで5,252人にアンケートを取ったところ、
もっとも人気だったのが、「サーモン/炙りサーモン」でした!
特に女性は各年代ですべて1位になっています。
人気の理由としては、
- 価格が安い
- 炙り、マヨネーズ、レモンなどトッピングが出来る
価格・食べ方が代表例として挙げられており、
外国人からの支持も人気をけん引している要因の一つです。
また、回転すしチェーン店以外では
「サーモンを握るとは考えもしなかった」
と職人に言われるくらいのネタとして扱われていましたが、
いまや銀座のすし店にも浸透するほどの人気となっています。
それくらい、人気の「サーモン」ですが、
「さけ」「しゃけ」「サーモン」の違いは何?
と聞かれてすぐに答えることは出来るでしょうか??
諸説様々ありますが、
この記事を読めば、そんな問題も解決できます!
是非、話しのネタとして家族・友人と話してみてください。
「さけ」「しゃけ」「サーモン」の違い
結論から言うと、
全部同じです。
要点を説明するとこのようになります。
ポイント
さけ
サケ目サケ科の海魚の総称。11属66種からなるサケ科魚類のことをいう。
日本にはその11属のうち、3属(イトウ属、イワナ属、サケ属)が在来種として生息している。
しゃけ
「さけ」と同じ意味。方言説、アイヌ語由来説、加工したもの説など諸説様々ある。
サーモン
鮭を英語で表したもの(salmon)
サケ属は、サクラマス、ギンザケ、カラフトマス、マスノスケ、ベニザケ、シロザケ、スチールヘッド・トラウト※1(ニジマスの降海型)、カットスロート・トラウトの8種類からなります。
下の票の右側がスーパーなどで購入する時に見かける名称になります。
標準和名 | 一般名称・業界用語 |
サクラマス | ホンマス、マス |
カラフトマス | アオマス、ピンク・サーモン |
マスノスケ | キング・サーモン |
シロザケ | シロサケ、アキサケ、アキアジ、トキサケ、トキシラズ、チャム・サーモン |
ベニザケ | サッカイ・サーモン |
ギンザケ | シルバー・サーモン |
タイセイヨウサケ | アトランティック・サーモン |
ニジマス | トラウトサーモン、スチールヘッド |
サケ属8種類のうち、サクラマス、カラフトマス、マスノスケ、ベニザケ、シロザケが日本で獲れる天然のサケです。
サーモンにも定義がないので、何が違うのかは実物を見てみないと分からないところがあります。
続いて、「さけ」「しゃけ」「サーモン」の詳細を解説していきます。
「さけ」とは
サケ目サケ科の海魚の総称。
学術的にみるとサケ科の魚はイワナ属、タイセイヨウサケ属、コクチマス属、サケ属など11属、66種からなるとされており、
アユやシラウオは遠い類縁関係とされています。(注:諸説あるので異なる場合もあります)
産卵は川の上流で行われ、生まれた幼魚は川を下り、海に出て回遊し母川に戻ります。
卵巣はすじこ、イクラなどにします。
サケのシロザケ(アキサケ)をトキザケ(トキシラズ)、メジカ、ケイジ等と分類するのは、生物分類上の一階級とは異なり漁業関係者や市場での通称です。
これは性徴、成長過程の外見的特徴から分類して呼んでいるもので、学術的には一括りにシロザケとなります。
ここでは「鮭」がつく「白鮭」「紅鮭」「銀鮭」を説明します。
白鮭
- 日本で「鮭」といえばこの「白鮭」のことを言う
- 北太平洋、日本海、ベーリング海、オホーツク海、アラスカ湾、北極海の一部に生息
- 未成熟魚はトキシラズやオオメマスと呼ばれ高価
- 秋に産卵のために生まれた川の沿岸へ戻ってくるものをアキザケやアキアジと呼ぶ
- 「鮭児」も白鮭の一種で、その漁獲量は普通の鮭1万匹に対してたった1~2匹程度
紅鮭
- 日本人にも馴染み深い鮭の仲間。日本近海ではほとんど獲ることができない
- 日本人の食べる紅鮭は、その大半がロシアやアラスカなどからの輸入品
- 食生活も特徴的でプランクトンが主な餌
- 身の赤色が強いこともこの食性が関係している
銀鮭
- 天然の銀鮭は、北部太平洋に生息
- 日本の川に上ってくる銀鮭は、残念ながら存在しない
- 銀鮭は他の鮭と違い、海で養殖されている
- 銀鮭は白鮭などと違って成長スピードが速いため、放流よりも養殖した方が適している
- 日本では、主に宮城県の三陸沖において行われており、養殖銀鮭の漁獲高も宮城県が一番多い
- 銀鮭の養殖は日本だけではなく、南米のチリにおいても行われているので、チリ産の銀鮭も日本に輸入されている
焼き鮭など一般的に食べられる「さけ」がこの3つに当たります。
「しゃけ」とは
「さけ」と同じ意味ですが、「しゃけ」になったのは様々な諸説があります。
下記の3項目が代表的な諸説になっています。
方言説
そもそもの鮭の読み方は「サケ」が本当の発音
江戸時代の頃の人たちが、「さ・し・す・せ・そ」をうまく発音できないことから、
「サケ」ではなく「しゃけ」となまって発音した。
アイヌ語説
鮭の語源であるアイヌ語「シャケンベ=サク・イベ(夏の・たべもの)」からきていて、
アイヌ語には「サ」と「シャ」の発音の区別がなかったため、
それを聞いた人が両方使った。
加工食品説
捕獲されて加工されたものが「しゃけ」
捕獲されても調理前は「サケ」
包丁を入れて味のついたものが「しゃけ」
※辞書によっては、「シャケ=主に加工した物をいう」と注釈がついているものもある
どれもあり得そうな説ですが、
話を聞いて納得できるのは「加工食品説」かと筆者はおススメします。
「サーモン」とは
英語では「サーモン(salmon)」
また「トラウトサーモン」という種類があるように、
「トラウト(trout)」=「ます」も同意義だということが言えます。
「さけ」と「ます」に生物学的に明確な区分はありません。
欧米では海に降りるものをサーモン、川など淡水で生活するものをトラウトとしている場合が多く、
近年は日本でもサーモン=「さけ」、トラウト=「ます」と認識している例も一部でみられるようです。
サーモンのピンクは甲殻類のプランクトン(アミ類もその一つです)を食べることで、
アスタキサンチンが蓄積され、身などが赤っぽく(ピンク色)なるからです。
ホンマス、マス
一般的には降海型をサクラマス、河川残留型をヤマメとして区別している。
分布範囲は太平洋サケの中で最も狭く、
ロシア、日本付近に分布しているのみで北アメリカ大陸周辺には分布していない。
アオマス、ピンク・サーモン
別名にセッパリマスなどがある。
アラスカなどではピンクサーモンとも呼ばれる。
北海道の一部産地では「オホーツクサーモン」というブランド名で呼ばれている。
一般的に「マス」と呼ばれ「シロザケ」と並び日本では馴染み深い魚。
キング・サーモン
サケの仲間の中でも最大級に成長する。
日本で漁獲されることはめったにないキングサーモンですが、
「ますのすけ(鱒之介)」の和名が、近海で水揚げされたこともある歴史を物語っている
アトランティック・サーモン
スーパーなどで見かける、チリ産やノルウェー産サーモンのほとんどがアトランティックサーモン。
年間を通じて価格や出荷量が安定しているのも特徴。
トラウトサーモン、スチールヘッド
養殖が多く天然ものはほとんど出回っていないが、天然の場合は春が旬。
淡水魚で味が濃く、独特の臭みがある。基本的に生で食べることはできず、バター焼きやホイル焼きにされることが多い
このように同じサーモンでも種類によって全く異なり、
そもそも、サーモン=白身魚なんです。
色がピンクなだけに想像し辛いですよね。
この記事で少しでもスッキリしてもらえれば嬉しいです。
ではではまた。
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参考資料:
公益財団法人ニッポンドットコム
「サーモンがマグロ超え、不動の人気確立:豊洲・銀座のすし店にも浸透」
日本海深浦サーモン「さまざまな名をもつサケ・マス類」
国立研究開発法人 水産研究・教育機構「さけますQ&A」