「しまむら」=田舎のダサいアパレルショップ
「Avail」=地方の駅周辺にある若者向けの格安ショップ
こんなイメージを持っていませんか?
「ユニクロ」や「GU」がアパレル界を牽引している中で、
コロナ禍であっても、直近売上を伸ばしているのが「しまむら」「Avail」です!
消費が低迷している中でも前年以上の売上を上げることの出来る理由は何なのか?
そもそも「しまむら」「Avail」の違いとは何なのか?
この記事を読んで、少しでも明日話したくなるネタにしてもらえれば嬉しいです。
「しまむら」「Avail」違い
「しまむら」と「Avail」は「しまむらグループ」の会社です。
「しまむら」と「Avail」の違いを10項目挙げました。
しまむら | Avail | |
①店舗数 | 1,433店 | 318店 |
②設立 | 1953年 | 1996年 |
③1号店出店 | 埼玉県小川市 | 群馬県館林市 |
④立地 | 12,000世帯の小商圏 | 20,000世帯の商圏 |
⑤ターゲット | 20代~50代の主婦とその家族 | 10代~30代の男女 |
⑥品揃え | 日常の衣料品、シューズ、生活雑貨 | カジュアル・エレガンスな衣料品、シューズ、小物 |
⑦コンセプト | ファミリーが日常生活のために使用する衣料品を提供すること | 最新のトレンドファッションを低価格でトータルコーディネート |
⑧価格帯 | 500円~5,000円 | 1,000円~6,000円 |
⑨営業時間 | 10時~19時 | 11時~20時(土日10時~20時) |
⑩Instagramフォロワー数 | 43.6万人 | 11.4万人 |
※20年2月20日現在
しまむらとAvailの違いって知ってる?
と聞かれた時に返答する内容は、
しまむらは20代~50代の主婦とその家族
Availは10代~30代の男女
この「ターゲット」が大きな違いです。
と答えるのが相手が納得してくれる内容です。
それでは、10項目の詳細を説明します。
店舗数・出店の違い
「しまむら」=「田舎(郊外)」という認識が多いと思います。
「都市部よりも郊外の方が競合が少ないから良い」
という単純な認識がありました。
実際に「しまむら」は田舎(郊外)に出店が多いですが、それには戦略がありました。
出店条件
1店舗あたりの売上金額=約3.3億円(出店条件)
▼算出方法(衣料品購買額から考える)
- 30歳未満の1世帯1か月の「被服及び履物」消費支出額:8,365円
- 8,365円/月 × 12か月 = 100,380円(年間の購買金額)
- 「しまむら」12,000世帯の商圏 ➡ 商圏購買力 約13億円(うち25%)
- 「Avail」20,000世帯の商圏 ➡ 商圏購買力 約22億円(うち15%)
このような商圏に対して、ドミナント出店(高密度の出店)を実施している。
また、現在では近年は大都市圏や地方都市への進出、商業ビルやショッピングセンターへの出店も積極的に進めています。
人口密度の高い商圏は有望なマーケットであり、今後の成長戦略の要となっています。
品揃え・コンセプトの違い
「しまむら」「Avail」のホームページから『今週のチラシ』を確認することが出来ます。
このチラシを見ればターゲットの違いが一目瞭然です。
▼しまむら(売出し期間:8/12~16)
▼Avail(売出し期間:8/12~16)
「しまむら」は20代~30代のママをターゲットに、その家族も着ることのできる商品を打ち出しています。
「Avail」は10代~20代前半の女性をターゲットに商品を打ち出しています。
モデルの年齢層の違いもそうですが、
「しまむら」の方が格安感をアピールして、
「Avail」の方がかわいらしさ等の世界観を演出しているように感じます。
まとめ
「しまむら」グループはモデルとして外国人を使っていません。
なので、自分と似た体系の日本人が着用しているので格好良さよりも「親近感」を感じます。
また、自社ブランドのみの品揃えになっていないので、
欲しい商品がみつける「宝探し感」も好感を生んでいる理由の一つです。
「郊外にある身近なセレクトショップ」のような感覚で、
「えっ!これもしまむらなの?」
なんて言われるような商品も増えています。
このように綿密な出店計画から商品販売に至るまで他社と差別化できていることから、
現在の厳しい状況であっても人気を集めていることが言えます。
ではではまた。
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参考資料
しまむらグループ 「グループHP」
経済産業省 「消費支出額の変化」